差し歯は歯の根っこがないときでもできる?適用できないときの選択肢と判断基準 - あんしんインプラント

差し歯は歯の根っこが
ないときでもできる?
適用できないときの
選択肢と判断基準

登録日:2025年 

虫歯や歯周病、事故などで歯が抜けたとき、その治療法として「差し歯」をイメージする方もいるでしょう。しかし差し歯は、根っこしかない歯を治療する際の選択肢の一つです。逆にいうと、差し歯治療は、歯の根っこが残っていることが前提となります。

 

今回は、差し歯が適用できない8つの症例についてまとめました。歯の根っこがないときの選択肢となる「入れ歯」「ブリッジ」「インプラント」の治療の概要と、自身にあった治療法の選び方も解説します。

根っこがない歯には差し歯はできない!

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結論として、歯の根っこが残っていないと、差し歯治療は適用できません。そもそも差し歯とは、歯の根っこに人工歯の支柱を差し込む治療法です。歯が大きく破損・欠損していても、根っこさえ残っていれば問題ありません。しかし、土台となる歯の根っこがない場合には、差し歯以外の補綴(ほてつ)治療が選択肢となります。

 

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差し歯の適用が難しい歯や根っこの状態とは?

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ここでは、差し歯治療の適用が困難な8つの症例を紹介します。

歯の根っこがまったくない

先述のとおり、差し歯は歯根に差し込む装置なので、根っこがないと適用できません。歯根がまったくない、もしくは少ない方は、差し歯以外の治療法が適用されます。

歯の根っこが少ない・割れた

歯の根っこが少なかったり、割れていたりする場合、適用の可否は歯科医師の判断によります。軽度の損傷であれば「クラウンレングスニング(歯冠長延長術)」や「エクストルージョン(歯根挺出術)」などの外科処置を施せば、差し歯治療が適用できる場合があります。

ただ、外科処置の工程が加わる分、治療が長引くほか、術後に口腔内のトラブルが生じやすくなるため注意が必要です。また、歯の根っこの破損・欠損が大きい場合は適用できないため、抜歯して差し歯以外の治療法が選択肢となります。

虫歯が進行している

虫歯があるからといって、必ずしも差し歯治療ができないわけではありません。上部のみの軽い虫歯なら、患部を削れば、差し歯の適用が可能です。ただし虫歯が進行した歯は、根っこを含む全体の強度が大きく低下しています。そのため、まずは虫歯を治療してからでないと、差し歯が長持ちしません。

抜髄している

抜髄(ばつずい)とは、歯の神経を抜いている状態です。一般的には、歯の根管治療の一環として施されます。神経を抜いた歯は、栄養が行き渡らず、脆くなりがちです。衝撃にも弱く、差し歯をしても長持ちしにくいため、差し歯の適用は難しいといえます。

不正咬合がある

不正咬合(こうごう)とは、簡単にいうと歯の噛み合わせがよくない状態です。主に、歯の生える向きや歯と歯のすき間、顎の骨の形状などにより、噛み合わせに問題が生じます。噛み合わせが悪いと、歯の根っこに大きな負担がかかって破損しやすくなるため、そのままでは差し歯をしても長持ちしないでしょう。

歯周病がある

歯周病があると、歯茎やその下にある骨の安定感がなくなり、歯をしっかりと支えられなくなります。症状が進行すると、残った歯の根っこがグラグラしたり、脱落したりしやすくなるため、差し歯をしてもあまり意味がありません。歯周病になると、差し歯以外の治療法の適用も難しくなります。予防に努めるとともに、もし発症したときは、まず歯周病の治療を優先させましょう。

差し歯が脱落・破損した

差し歯が抜けたり破損したりしたときは、その根っこにも欠損が生じているケースが多いため、そのままでは再治療が困難です。また、一度差し歯を入れた歯の根っこは脆くなり、割れたり欠けたりしやすいほか、厚みが減って装置を十分に支えられないことも少なくありません。差し歯に問題が生じたときには、自分で対処しようとするのではなく、すみやかに受診して歯科医師に相談してください。

食いしばり・歯ぎしりが癖になっている

口腔内の状態自体に問題がなくても、食いしばりや歯ぎしりといった癖のある方には、差し歯治療はおすすめできません。食いしばりや歯ぎしりは、口腔内に大きな負担を与える行為であり、歯や根っこの破損・欠損や差し歯の破損・脱落の原因になります。マウスピースなどで負担を軽減することは可能ですが、根本的な解決にはなりません。

 

歯ぎしりや食いしばりが癖になった背景には、噛み合わせやストレス、生活習慣、病気などのさまざまな要因が絡み合っています。本人の意志だけでは改善が難しいため、専門の医療機関で根本的な原因を治療することをおすすめします。

歯の根っこがないときの差し歯以外の選択肢

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歯の根っこがないと差し歯が装着できないため、失った歯を補うには、主に「入れ歯」「ブリッジ」「インプラント」の3つの治療法が選択肢となります。以下では、各治療法の特徴を踏まえ、どれが自身に最適な選択肢なのか考えていきましょう。

入れ歯

「入れ歯」とは、歯茎と人工歯が一体になった補綴装置です。総入れ歯と部分入れ歯の2種類があり、欠損の範囲によって適用が判断されます。歯の根っこがなく、治療費を抑えたいときによく選択される治療法です。

なお入れ歯治療では、差し歯と同じく、保険診療と自由診療から選択できます。保険診療は、自己負担額が抑えられますが、素材の選択肢が限定的です。一方、自由診療ではさまざまな素材が選択でき、審美性や機能性が高められる分、全額自費となるため、経済的な負担が大きくなります。

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ブリッジ

「ブリッジ」とは、治療箇所の両隣の歯を支柱として、橋を架けるように人工歯を装着する治療法です。根っこが残っていなくても適用でき、人工歯をしっかり支えられます。

 

ブリッジも保険適用が可能な治療法ですが、ほかの治療法と同様に素材が限定的で、機能性や審美性に劣ります。気になる方は、素材の選択肢が増える自由診療を選べば、天然歯と近い感覚や見た目に近づけることも可能です。

ただし、ブリッジは治療箇所の両隣の歯が残っていないと適用できません。また、両隣の歯を大きく削る必要があるほか、治療後に周囲の歯や歯ぐきに大きな負担を与え、口腔内環境の悪化の原因になることもあります。以上のことからブリッジは、口腔内環境の状態が比較的よく、審美性・機能性を高めつつ費用は抑えたいというときに適用されることが多いようです。

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インプラント

「インプラント」とは、顎の骨に埋め込んだ人工歯根(インプラント体)を支柱とし、その上から人口歯を被せる補綴治療です。治療の過程で人工的に歯根を再現するため、歯の根っこが残っていなくても適用できます。原則として保険適用外となり、口腔外科手術を伴いますが、審美性・機能性に優れ天然歯に近い感覚が半永久的に取り戻せるでしょう。

また、インプラントは周囲の歯へ与える影響が極めて少なく、入れ歯やブリッジと比べ顎の骨が痩せるのを防げます。さらに、歯並びや噛み合わせの矯正にもなるなど、たくさんのメリットが得られる治療法です。「審美性・機能性を重視したい」「治療後の負担を少なくしたい」「長持ちさせたい」という方には、インプラントが最も有効な選択肢になるでしょう。

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差し歯や歯の根っこに生じた異常を放置するリスク

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歯は周囲に丈夫な支えがないと、空いたスペースに向かって傾きやすくなります。そのため、差し歯や歯の根っこに生じたトラブルを放置すると、位置が徐々に変わったり突出してきたりして、歯並びや噛み合わせが悪化しかねません。口腔内環境の悪化は、全身の不調とQOL(生活の質)低下の原因となります。歯や差し歯にトラブルや違和感が生じたときは、悪化を防ぐためにも、すぐに歯科医院を受診しましょう。

また、治療後にお手入れを怠ると、差し歯を装着した歯の根っこが虫歯になる恐れがあります。土台となる歯の根っこが虫歯になると、脆くなって差し歯をしっかり支えられないばかりか、脱落や口腔内環境の悪化の恐れもあります。日々の丁寧なホームケアと、定期的な通院メンテナンスで、健やかな口腔内環境を保つことが大切です。

まとめ

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差し歯による補綴治療ができるのは、歯の根っこが残っているときに限られます。また、歯の根っこがあっても、その状態が健やかでないと、基本的に差し歯は適用できません。歯の根っこがないときの治療法として、入れ歯・ブリッジ・インプラントの3つの方法が選択肢となります。自分にとって最適な治療法を選ぶには、それぞれのメリット・デメリットと希望を照らし合わせて検討することが大切です。いずれにせよ、歯がないまま放置すると、さまざまな口腔内トラブルを引き起こす恐れがあるため、すみやかに歯科医院を受診して相談することをおすすめします。

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