インプラント
オーバーデンチャーとは?
治療法・費用や
メリット・デメリットを解説
インプラントオーバーデンチャーとは、最低2本のインプラントで総入れ歯型の義歯を装着する治療法です。
埋め込むインプラントの数が最小限なので、費用や身体的な負担が軽減します。
種類やメリット・デメリット、ほかの治療法との違いも紹介しています。
インプラントオーバーデンチャーとは?治療法・費用やメリット・デメリットを解説
インプラントは画期的な治療法ですが、治療本数が多いと金銭的・身体的な負担が大きく、ためらっている方もいるでしょう。
そこで選択肢となるのが「インプラントオーバーデンチャー」です。
今回は、オーバーデンチャーの仕組みや装置の種類、費用などの基礎知識を解説します。
メリットやデメリット、ほかの治療法との違いも踏まえ、自分にとって最適な治療法を考えましょう。
インプラントオーバーデンチャーとは

「インプラントオーバーデンチャー」とは、顎の骨に埋め込んだ2本以上のインプラントで、総入れ歯のような義歯を固定する治療法です。
義歯の裏側に付いた特殊な金具とインプラントを連結させる仕組みで、装着後も自身で自由に取り外せます。
インプラントオーバーデンチャーの種類

インプラントオーバーデンチャーの装置には、次の4種類があります。
- ロケータータイプ
- マグネットタイプ
- ボールタイプ
- バータイプ
ロケータータイプ
インプラントと義歯を対になる「ロケーター」という留め具で固定するタイプのオーバーデンチャーです。
義歯を強力に固定できるので、ズレやグラつき、脱落が生じにくくなります。
マグネットタイプ
インプラントと義歯を、間にある小型のマグネット(磁石)で固定するタイプのオーバーデンチャーです。
磁力でカチッと留まる仕組みで、着脱も手軽にできます。
磁石が劣化しない限り、寿命は半永久的です。ただし、磁力を用いているので、MRI検査に支障をきたす恐れがあります。
◾️インプラントがMRI検査に与える影響について知りたい方はこちら
インプラントはMRIに影響する?検査ができないときの対処法も解説
ボールタイプ
先端に付いたボール状の部品で、インプラントと義歯を固定するタイプのオーバーデンチャーです。
インプラントの埋入数が2本程度で済み、着脱も簡単にできます。
ただ、固定器具が丸くなっているため、ほかのオーバーデンチャーと比べると安定性に劣ります。
バータイプ
インプラント同士が棒でつながった構造のオーバーデンチャーです。
装置が連結している分、強力に固定でき、安定性にも優れます。
ただし、使用するインプラントの数が4〜6本程度と多くなるほか、簡単には 取り外しにくくなります。
インプラントオーバーデンチャーにかかる費用と期間

インプラントオーバーデンチャーにかかる治療費の目安は、片顎で約70万〜200万円です。
通常のインプラントと同じく保険適用外ですが、埋め込むインプラントの数が少ないため、治療費が抑えられます。
インプラントオーバデンチャーの一般的な治療期間は、約2~8か月です。
症状や口腔内・身体の状態、選択する義歯の種類によって、期間が前後します。
インプラントオーバーデンチャーのメリット

失った歯の治療法としてインプラントオーバーデンチャーを選択するメリットは、主に次の6点です。
- 通常のインプラントより金額が安い
- 従来の総入れ歯より噛む力が強い
- 自然な見た目が再現できる
- 複数の歯を治療する際の身体的な負担が減らせる
- 自身での丁寧なホームケアが難しい方でも手入れしやすい
- 幅広い症例に適用できる
通常のインプラントより金額が安い
通常のインプラント治療は、1本の人工歯を1つのインプラントで支える仕組みなので、治療本数が増えるほど治療費もかさみます。
オーバーデンチャーなら、埋め込むインプラントが最小2本です。インプラントの数が少ない分、費用が大きく抑えられます。
従来の総入れ歯より噛む力が強い
オーバーデンチャーは、顎の骨に埋め込んだインプラントが歯の根っこの役割を果たします。
歯茎と義歯を金具でしっかり固定するため、従来の総入れ歯より噛む力が伝わりやすく、ズレやグラつきもほとんどありません。
自然な見た目が再現できる
インプラントオーバーデンチャーは、固定器具がなく、素材の選択肢も豊富で、天然歯に近い見た目が再現できます。
また、口腔内を覆う部分を柔軟に調整でき、上顎をくり抜いたデザインにすることも可能なため、装着時の違和感や不快感が軽減します。
複数の歯を治療する際の身体的な負担が減らせる
通常のインプラントで複数の歯を治療する場合、本数が多いほど手術時間と身体的な負担も大きくなりがちです。
オーバーデンチャーなら、治療本数にかかわらず、最小2本のインプラントを埋め込むだけで済みます。
手術時間や治療が完了するまでの期間も比較的短いので、手術に抵抗のある方や体力に不安を抱えている方にも適用できる可能性があります。
自身での丁寧なホームケアが難しい方でも手入れしやすい
インプラントオーバーデンチャーは取り外せるため、すみずみまでブラッシングしやすいことが特徴です。
従来の入れ歯と同じく、洗浄剤も使えるため、清潔を保ちやすいでしょう。
高齢の方や病気・障害のある方で自身での丁寧なブラッシングが難しい場合や、家族や介護・看護スタッフからケアしてもらう際にも、取り扱いやすいといえます。
幅広い症例に適用できる
通常、インプラントでは顎の骨の厚みが少ないとフィクスチャー(インプラント体)の埋入が難しく、骨造成が必要です。
オーバーデンチャーでは、骨量の多い場所を選んでインプラントを埋め込めるため、付帯手術なしでも幅広い症例に対応できます。
インプラントオーバーデンチャーのデメリット

たくさんのメリットがあるインプラントオーバーデンチャーですが、デメリットがある点に注意してください。
健康な歯の抜歯や削合が必要になる場合がある
オーバーデンチャーでは、総入れ歯のような義歯を装着するという性質上、欠損部以外の健康な歯まで抜いたり削ったりしなければならない場合があります。
とはいえ、オーバーデンチャーが適用になるのは健康な歯がないもしくは極めて少ないケースが多く、天然歯を残すメリットはあまりありません。
治療の際は、麻酔や鎮痛剤を使用するため、強い痛みを感じることもないでしょう。
残存歯が虫歯になる恐れがある
天然歯をすべて抜歯せず、削る方法でオーバーデンチャーにする場合、残った天然歯の虫歯のリスクはなくなりません。
残存歯には汚れや食べかすが溜まりやすいため、義歯だけではなく、口腔内全体の丁寧なケアが求められます。
治療に高い技術が求められる
インプラントオーバーデンチャーはカバーする範囲が広い分、自然な噛み心地と見た目を再現するには高い技術が求められます。
装置・義歯の素材選択や設計、バランスは施術する歯科医師の腕にかかっているため、信頼できる歯科医院で治療を受けることが大切です。
通常のインプラントより機能性に劣る
オーバーデンチャーは、少数のインプラントで多数の人工歯を支える構造です。
また、取り外しが可能な分、一対の装置で固定する通常のインプラントと比べ、噛む力が少し弱い傾向にあります。
食事に大きな支障はありませんが、人によってはえずきやすくなるほか、入れ歯に強い抵抗感がある方には不向きです。
インプラントオーバーデンチャーとオールオン4はどう違う?

複数本のインプラントの治療費を抑える手段として、オーバーデンチャーのほか「オールオン4(All-on-4)」もあります。
両者の違いは、主に以下の4点にあります。
- 埋め込むインプラントの数
- 固定の仕組み
- 治療期間
- 費用
オールオン4は、4〜6本のインプラントで、12〜14本の義歯を固定する治療法です。
オーバーデンチャーより埋め込むインプラントが多く、より強く固定されるため、しっかり噛めます。
口腔内を覆う範囲もオーバーデンチャーより狭く、味覚や発音・発声の妨げになりにくいといえます。
治療期間は口腔内・身体の状態や選択する義歯にもよりますが、オーバーデンチャーでは最短2〜3カ月程度です。
対して、オールオン4は、治療完了までに3〜6カ月程度かかります。
また、オーバーデンチャーは、取り外し可能な総入れ歯のような装置です。
一方、オールオン4はインプラントで固定するブリッジのような装置であり、自分では取り外せません。
オールオン4の費用相場は、片顎で約200万〜400万円です。
機能性に優れ、治療の負担も少ない分、オーバーデンチャーより治療費が高くなる傾向にあります。
より費用を抑えて治療を受けたいときは、オーバーデンチャーが選択肢となるでしょう。
◾️オールオン4についてさらに詳しく知りたい方はこちら
まとめ

オーバーデンチャーは、主に歯がまったく残っていないもしくは現在総入れ歯を使用中の方で、治療費を抑えたいときに適用されます。
従来の入れ歯と比べ、自然に近い噛み心地と見た目を取り戻せるでしょう。
オーバーデンチャーは高度な技術が要求される治療法なので、信頼できる歯科医院選びが大切です。
「オーバーデンチャーによる治療を希望している」「通常のインプラントとどちらがよいか迷っている」という方は、ぜひ「あんしんインプラント」にご相談ください。
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