歯を全部
インプラントにするには?
治療法・費用や
メリット・デメリット
歯を全部インプラントにするには、いくつかの方法があります。
適用されるケースや費用、メリット・デメリットを解説しています。
多くの歯の欠損・喪失に悩んでいる方や、治療済の箇所の機能性・審美性を高めたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
「インプラント」は、虫歯や歯周病、事故などで失った歯を補う治療法です。
1本のみはもちろん、全部の歯をインプラントにすることもできます。
今回は、全部の歯をインプラントにする際にかかる費用や期間などの基礎知識を解説します。
メリット・デメリットや、失敗を防ぐポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。
全部の歯をインプラントにする方法と費用の目安

まず、インプラントの本数や治療法の種類ごとに、治療の概要と、費用相場を紹介します。
総インプラント
歯があった部分それぞれにインプラントを埋め込む「総インプラント」の費用相場は、1本あたり約35万〜55万円だといわれています。
総インプラントにするために必要な本数は、片顎につき12〜14本です。
したがって、口腔内の全部の歯をインプラントにする場合、1千万円近い費用がかかります。
費用は高額になるものの、最も天然歯に近い感覚が再現できる治療法であり、見た目や噛み合わせの細かい調整も可能です。
オールオン4
「オールオン4(All-on-4)」とは、顎の骨に埋め込んだ約4〜6本のインプラントで、複数の連結した人工歯を固定する治療法です。
少数のフィクスチャー(インプラント体)で、最大12〜14本の人工歯が装着できます。
顎の骨に埋め込んだインプラントが歯の根っこの役割を果たすため、通常のブリッジと比べて安定感がよく、噛む力もしっかり伝わります。
オールオン4にかかる費用は、片顎につき約200万〜400万円が相場です。
インプラントを1本ずつ埋め込む場合と比べ費用が安いほか、手術による身体的な負担も少ないといえます。
◾️オールオン4の治療法の詳細はこちら
オーバーデンチャー
「オーバーデンチャー」とは、2本以上のインプラントで、総入れ歯のような義歯を装着する治療法です。
取り外しが可能で、人工歯肉が付いているため、取り扱いやお手入れの方法などが異なります。
上部構造をインプラントでしっかり固定できるので、一般的な総入れ歯と比べ、使用感や機能性に優れます。
ただし口腔内を覆うパーツの面積が広いため、通常のインプラントやオールオン4と比較すると、使用感や見た目に違和感を覚える方もいるかもしれません。
オーバーデンチャーの費用の目安は、片顎につき約70万〜200万円です。
顎の骨に埋め込むインプラントの数が少ないほど費用や身体的な負担が抑えられます。
◾️オーバーデンチャーの治療法の詳細を知りたい方はこちら
全部の歯をインプラントにするケースとは

次に、どのような方が歯を全部インプラントにするのか、よくある2つのケースをみていきましょう。
失った歯の補綴
1本も歯がないもしくは残っている歯の本数が極めて少ないときは、すべての歯をインプラントにすることが選択肢となります。
多くの歯を失う主な原因は、虫歯や歯周病、事故、身体的な障がい・病気などが代表例です。
虫歯や歯周病によって失った歯を治療する場合は、基本的に保険は適用されないため、費用は全額自費となります。
◾️インプラントの保険適用の条件を詳しく知りたい方はこちら
口腔内の機能性や審美性の向上
総入れ歯を使用している方や、広範囲のブリッジ治療を受けた方で不具合がある場合や見た目が気になる場合、全部インプラントにすることを勧められることがあります。
審美性の調整がきき、噛む力も伝わりやすくなるものの、全額自己負担です。
全部インプラントにするメリット

全部の歯をインプラントにすることで、次のようなメリットが得られます。
- バランスの整った美しい口元になる
- すべての歯でしっかり噛めるようになる
- 顎の骨が痩せるのを防げる
- 二度と虫歯にならない
バランスの整った美しい口元になる
全体のバランスを美しく整えたいなら、全部の歯を一度にインプラントにするほうが好ましいといえます。
天然歯や詰め物、インプラントなどが入り混じった状態だと、それぞれの見た目や歯並びの違和感が目立つからです。
同じタイミングですべての歯をインプラントにすれば、口腔内全体に統一感が生まれ、美しい印象になるでしょう。
すべての歯でしっかり噛めるようになる
歯が1本もないもしくは極めて少ない場合、全部の歯をインプラントにすれば、口腔内全体が本来の機能に近い状態に戻せます。
すべての歯を使ってしっかり噛めるようになるため、食事中の不便やストレスがなく、不十分な咬合や咀しゃくによる誤嚥や消化不良も防げるでしょう。
顎の骨が痩せるのを防げる
顎の骨は、噛むことで伝わる適度な刺激によって厚みや強度を保っています。
そのため、失った歯をそのままにしたり、 噛む力の伝わりにくい入れ歯やブリッジなどの方法で補っていたりすると、顎の骨が徐々に吸収され、痩せていってしまいます。
歯の根っこ部分が再現できるインプラント治療なら、噛む力がしっかりと伝わりやすく、骨吸収の防止にも効果的です。
二度と虫歯にならない
インプラントにした歯は、二度と虫歯になりません。
インプラントの装置は、虫歯が生み出す酸では溶けない素材で作られています。
そのため全部インプラントにすれば、虫歯に悩まされることはもうなくなるでしょう。
全部インプラントにするデメリット

全部の歯をインプラントにしたことを後悔しないためには、デメリットが生じる可能性があることも理解しておきましょう。
治療費が高額になる
先述のとおり、インプラントは埋め込む本数が多い分、治療費もかさみがちです。
オールオン4やオーバーデンチャーなどの費用を抑えて全部インプラントにする選択肢や、デンタルローンを組んで分割払いにする方法もあります。
しかし、総額で数百万単位の出費となるため、経済的に厳しいと感じる方もいるかもしれません。
とはいえ、インプラントは天然歯に遜色ない感覚が取り戻せる現時点で唯一の治療法です。
ブリッジや入れ歯と比べて寿命が長く、適切なケアとメンテナンスで半永久的に保つことも可能なため、長い目でみてコストパフォーマンスに優れます。
◾️インプラントのデンタルローンについて詳しく知りたい方はこちら
身体的な負担が大きい
インプラントは、外科手術で顎の骨に穴を開けて埋め込むため、本数が多いほど身体的な負担が大きくなる傾向にあります。
また、全部インプラントにするためには、すべての歯を抜かなければならないので、抵抗感のある方もいるでしょう。
とはいえ、インプラントの手術では麻酔を施すため、痛みはほとんど感じません。
術後に多少の腫れや出血はあるものの、一般的に2〜3日程度で収まるうえ、鎮痛剤が処方されるため、過度な心配は不要です。
治療期間が長くなる
インプラントを埋め込む本数が多いと、その分、治療期間も長くなります。
しかし、全体の治療期間は長いとはいえ、その多くは治癒(安静)期間です。
治療期間中の通院回数は、治療法や術式によっては数回程度で済みます。
また、1本のインプラントを埋め込む際にかかる時間は約数十分です。
入院は不要で、その日のうちに帰れます。
メンテナンスが大変になる
インプラントは、天然歯と比べ、構造的にトラブルになりやすい傾向にあります。
天然歯にある歯根膜や、歯の根元を覆う丈夫な歯肉が存在しないため、隙間から汚れや細菌が入り込みやすいからです。
特にインプラントの治療後、メンテナンスを怠ると「インプラント周囲炎」というトラブルが発生する恐れがあります。
気づいたときには、すでに症状が進行していることもめずらしくありません。
治療後のトラブルを防ぐには、ホームケアと定期的な通院メンテナンスが不可欠です。
とはいえ、基本的なホームケアはブラッシングやフロスといった通常通りのお手入れだけなので、大きな手間はかかりません。
また、 定期検診の頻度は3カ月〜半年に1回程度が目安であり、さほど負担は大きくないでしょう。
通院が大変だという場合は、訪問診療や送迎サービスを行っている場合もあるため、歯科医院に相談してみてください。
必ずしも治療が受けられるとは限らない
欠損歯が多い場合、すべての歯をインプラントにするのは、大掛かりな治療になります。
その分、身体的な負担が大きいため、持病や身体の状態、体力の程度によっては、治療が適用できません。
また、オールオン4やオーバーデンチャーは抜歯程度の手術ですが、高度な設備と技術を要するため、対応する歯科医院が限られます。
まずは初診相談で、自身の症例や希望に対応できるかどうかを確認するとよいでしょう。
まとめ

歯が1本もないもしくは少ない場合や、入れ歯やブリッジなどが合わずに困っているなら、全部インプラントにするのも一つの選択肢です。
しっかり噛める歯や美しい口元を取り戻すことで、毎日の食事や人との会話がもっと楽しくなります。
全部の歯をインプラントにすることを検討しているなら「あんしんインプラント」に相談してみませんか。
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