先天性欠如歯をインプラントで治療すると
保険適用になる?
対象になる症例や注意点
先天性欠如歯はインプラントで治療できます。
保険が適用になるケースが多く、費用を抑えつつ、天然歯に遜色ない歯が手に入るのがメリットです。
治療を受ける際のポイントや手続きの流れも解説しているので、ぜひ参考にしてください。
インプラントは、先天性欠如歯を治療する選択肢の一つです。 公的保険が適用になることが多く、費用を抑えて治療できます。 今回は、先天性欠如歯をインプラントで治療する際に保険が適用になるための条件と、検討にあたって押さえておきたいポイントを紹介します。 申請手続きの流れも解説するので、ぜひ参考にしてください。
先天性欠如歯の治療を目的とするインプラントは保険適用になる

2020年の診療報酬改定により、一定の条件を満たすインプラント治療は、公的保険が適用されるようになりました。
本来、一般的な症例でインプラントが保険適用になるのは極めて稀です。
しかし、治療を希望する方の口腔内の状態によっても異なりますが、先天性欠如歯はインプラントが保険適用になる条件を満たす可能性があります。
保険適用になれば、年齢や所得に応じてインプラントの治療の自己負担が支払った金額の1〜3割となり、経済的な負担が軽減します。
>>インプラントと保険適用の関連性についてさらに詳しく知りたい方はこちら
先天性欠如歯とは?

ここで、先天性欠如歯の基礎知識をチェックしておきましょう。
先天性欠如歯の定義
「先天性欠如歯」とは、生まれつき歯が一部生えてこない状態を指します。
「非症候性部分性無歯症」とも呼ばれ、遺伝や妊娠中の成長環境による可能性があるといわれていますが、現時点ではまだ原因は明らかになっていません。
本来、永久歯の数は28本、親知らずを含めると32本であり、上下それぞれ14〜16本ずつ生えています。
親知らずの4本を除き、生まれつき1本でも欠けている場合に先天性欠如歯と診断されます。
先天性欠如歯がある方の割合は、人口の約10%です。
上顎より下顎、特に前歯から数えて5番目の第2小臼歯や、2番目にある側切歯の欠如が起こりやすいといわれています。
生え替わりの際や大人になってから検査を受けて判明するほか、乳歯の段階でレントゲンやCT検査などで確認できるケースもあります。
先天性欠如歯を治療しないデメリット
先天性欠如歯があっても、食事や会話などの基本的な動作ができなくなるわけではありません。
しかし、本来あるはずの歯が欠如していることで、噛み合わせや見た目に問題が生じやすくなります。
たとえば、噛み合わせが悪いと食べ物をしっかり噛めず、消化不良を招きます。
また、歯の向きが傾いたり、歯間が大きく開いたりすることで、口元が気になって人前での会話や食事に抵抗感を覚える方もいるようです。
QOL(生活の質)の維持・向上のためにも、先天性欠如歯はすみやかな治療が推奨されます。
インプラントが保険適用となる先天性欠如歯の症例

先天性欠如歯があるからといって、すべての症例で保険適用になるわけではありません。
ここでは、インプラント治療に保険が適用される3つの症例について説明します。
永久歯の6本以上かつ連続する3分の1以上がない
インプラントが保険適用となる目安の本数は、先天性欠如歯の本数が6本以上です。
そのうち、欠如歯が4〜5本程度連なっている場合に保険適用となります。
つまり、合計で6本以上の先天性欠如歯があっても、場所がバラバラで連続していない場合は保険適用外です。
前歯の永久歯が3本以上生えてこない
前歯の永久歯のうち、3本以上生えてこない場合はインプラント治療の保険適用の条件を満たします。
歯茎の中に永久歯が存在していても、人工的に切開しないと生えてこない「前歯永久歯萌出不全」も適用範囲内です。
歯や顎の骨の欠損で骨移植を受けている
先天的な障害により、歯や顎の骨の骨移植を受けている場合は、インプラントを埋め込む本数にかかわらず保険適用です。
ただし一般的には、適用できるインプラントの形状がブリッジのように連なった形状の装置に限定されます。
先天性欠如歯の治療にインプラントをおすすめする理由

以下では、先天性欠如歯をインプラントで治療する3つのメリットを解説します。
費用を抑えてインプラント治療が受けられる
インプラントの費用相場は、1本あたり35万〜55万円です。
保険が適用になれば、その1〜3割となる数万〜15万円程度の自己負担額となります。
また、保険適用の場合は高額療養費制度の対象にもなるほか、通常どおり医療費控除も適用になるため、併用すればさらに費用負担が軽減されます。
天然歯に遜色ない歯が手に入る
インプラント治療では、フィクスチャー(インプラント体)という装置を顎の骨に埋め込み、人工歯の土台にします。
歯に根っこがある状態となるため、天然歯のようにしっかり噛めるようになります。
また、噛む力が伝わりやすく、顎の骨が痩せるのを防げるのもメリットです。
素材の選択肢も幅広く、希望に応じて見た目や耐久性が調整できます。
周囲の健康な歯を長く残せる可能性が高まる
先天性欠如歯の治療法として、インプラントのほか、入れ歯やブリッジが挙げられます。
入れ歯を装着すると、周囲の歯に負担をかけ、天然歯をさらに失う原因になりかねません。
またブリッジは、治療の過程で両隣の健康な歯を大きく削らなければならないほか、クラスプで引っ掛けるタイプだと金具部分に大きな負荷がかかります。
対して、インプラントは独立した装置です。
周囲の歯に悪影響を及ぼさないため、適切なメンテナンスを続ければ、健康な天然歯を多く残せる可能性が高まります。
先天性欠如歯の治療法としてインプラントを選ぶ際の注意点

先天性欠如歯をインプラントで治療するにあたっては、次のようなポイントに注意してください。
- 治療が受けられる歯科医院が限られる
- 年齢制限がある
- 選択できる素材や治療法の範囲が狭い
治療が受けられる歯科医院が限られる
保険適用でインプラント治療が受けられるのは、原則として次の5つの条件をすべて満たす医療機関のみです。
- 歯科もしくは歯科口腔外科を診療科目とする保険医療機関である
- 歯科もしくは歯科口腔外科での治療経験が5年以上、インプラントの治療経験が3年以上ある常勤の医師が2名以上配置されている
- 当直体制を完備している
- 医療品・医薬品の管理体制が徹底されており、安全性が確保できる
- 病床数が20以上ある
多くの場合、上記の条件を満たす個人経営のクリニックはあまりありません。
総合病院や大学病院などの大規模な医療機関で治療を受けることになるケースが多いため、お住まいの場所によっては通院が大変になることもあります。
年齢制限がある
基本的に、インプラント治療は骨が成長途中にある年齢の方には適用できません。
個人差はあるものの、治療が受けられる年齢の目安は16歳以上です。
先天性欠如歯の診断は乳歯の段階で可能ですが、小さなお子さまではインプラント治療を受けられないことが多いといえます。
選択できる素材や治療法の範囲が狭い
保険適用でインプラント治療を受ける場合、選択できる素材や治療法の範囲が限定的です。
保険診療で使用されるインプラントを「広範囲顎骨支持型装置」といいます。
多くの場合、保険が適用されるのはオーバーデンチャーやオールオン4といったインプラントで固定する入れ歯やブリッジのような装置です。
自由診療のインプラント治療では、1本ずつ希望に応じて機能や見た目を細かく調整できますが、保険診療だと基本的に自由な選択はできません。
保険適用でインプラント治療を受ける流れ

先天性欠如歯を治療する際、保険適用になるためには次の手続きを踏む必要があります。
- 歯科医院で診察・検査を受ける
- 保険適用の条件に該当する病院を受診する
保険適用になるかどうかの確認だけなら、個人経営の歯科医院や普段のかかりつけ医などでも可能です。
診察の結果、適用されることが分かったら、一定の条件を満たす歯科のある病院への紹介状を発行してもらいましょう。
続いて、紹介された病院を受診し、保険適用でインプラント治療を希望していることを申告します。
保険適用での治療が可能だと判断された場合は、その後の治療計画や費用などに関する説明があるため、担当医と相談しながら検討してください。
まとめ

インプラントは、天然歯に遜色ない歯を手に入れられる満足度の高い治療法です。
先天性欠如歯を治療する目的でインプラントを埋め込む場合、公的保険が適用される可能性があります。
ただし、保険適用で治療を受けられる歯科医院は限られるほか、年齢や治療法の選択肢にも制限があるため、事前に確認のうえ治療を検討しましょう。
先天性欠如歯の治療法としてインプラントを検討している場合は「あんしんインプラント」へご相談ください。
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