インプラントの前後に
ホワイトニングはできる?
着色汚れ・変色の対策方法も解説
インプラント治療を受けた後、天然歯と色が合わなくなるかもしれないと心配している方もいるのではないでしょうか。
はじめのうちは問題なくても、時間の経過とともに、天然歯の着色汚れが気になってきたという方もいるかもしれません。
インプラントと歯の色を合わせるには、治療前後のホワイトニングが有効です。
今回は、インプラント治療とホワイトニングについて解説します。
インプラント治療後の黄ばみ・着色汚れによる色の差が出るのを防ぐ方法も解説しているので、ぜひ参考にしてください。
インプラントとホワイトニングの併用は可能

インプラントとホワイトニングは併用できます。
インプラントを埋め込む前はもちろん、治療後にもホワイトニングは可能です。
ただし、必ずしも希望の仕上がりになるとは限りません。
また、薬の副作用など、着色や黄ばみの原因によってはホワイトニングでは白くできないこともあります。
歯科ホワイトニングの効果は個人差が大きく、希望の仕上がりにならないこともあることを理解したうえで施術を受けるかどうか検討してください。
インプラントとホワイトニングの順番と色合わせ

インプラント治療とホワイトニングを同時に受ける2つの方法を説明します。
ホワイトニングしてからインプラント治療を受けるケース
これからインプラントにする方で、天然歯と色を合わせたいなら、治療前にホワイトニングを受けるのがおすすめです。
事前にホワイトニングを施し、その色に合わせたインプラントを作製すれば、自然な仕上がりになります。
インプラント治療に緊急性がない場合に適用できる方法なので、手術を受ける前に相談してみるとよいでしょう。
インプラント後にホワイトニングを施すケース
インプラント治療後も、ホワイトニングは受けられます。
よほど強力な薬剤を使わない限り、ホワイトニングによる装置への悪影響もほとんどありません。
ただし、ホワイトニングで白くできるのは天然歯のみであり、インプラントには施せません。
インプラント治療後、天然歯をむやみに白くしすぎると、色に差が出てしまう恐れがあるからです。
自然な仕上がりにしたいなら、インプラントの色に合わせてホワイトニングのレベルを決めることが推奨されます。
インプラント治療の前後に受けられるホワイトニングの種類

ここでは、インプラント治療と併用できる歯科ホワイトニングの種類をみていきましょう。
オフィスホワイトニング
歯科医院で施術するホワイトニングを「オフィスホワイトニング」といいます。
専用の薬剤を塗布し、光を照射して歯を白くする施術です。ホワイトニング効果が高く、即効性があります。
オフィスホワイトニングの効果が持続する期間は3〜6カ月程度です。
1回の施術だけでも現状から2〜3段階は白くなりますが、さらに効果を高めたいときは1〜2週間に1回程度のペースで通院することになります。
費用の目安は、1回あたり1万5千〜5万円程度です。
審美目的の施術なので、保険適用外となり、全額自己負担となります。
ホームホワイトニング
「ホームホワイトニング」とは、自宅で行う歯科ホワイトニングです。
処方された薬剤とマウスピースを使い、セルフでホワイトニングができます。
歯科医院に毎回通う必要がなく、通院の時間がなかなか取れない方でも気軽に治療が受けられます。
ただ、歯科医院で行うホワイトニングより濃度の薄い薬剤を使用するため、効果が緩やかで即効性に欠けるのが難点です。
ホームホワイトニングは時間をかけて歯を白くする分、効果が長持ちしやすい傾向にあります。
持続期間の目安は6カ月〜1年程度です。
費用相場は1回あたり1万〜3万円程度となります。
施術用のマウスピースは継続使用が可能ですが、ホワイトニング薬剤はなくなるごとに追加購入が必要です。
スペシャルホワイトニング
「スペシャルホワイトニング」とは、オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを併用する施術です。
歯科医院によっては「デュアルホワイトニング」や「パーフェクトホワイトニング」などの別の名称で呼ばれることもあります。
オフィスホワイトニングの即効性と、ホームホワイトニングの持続性を兼ね備えた方法で、短期間で歯をより白く、長く白さを保てます。
ただし、2つの治療を併用するため効果が高い分、通院とセルフケアの手間がかかるうえ、費用も高額です。
また、治療の際に生じる刺激や、知覚過敏のリスクが高まるともいわれています。
インプラントを白くする方法はある?

前提として、インプラントの人工歯の色を途中で変えることは基本的にできません。
周囲の歯と色を合わせるには、人工歯の作製段階での調整が必要です。
以下では、インプラントの色を調整する方法をみていきましょう。
ホワイトニングの仕上がりを想定して人工歯の色を決める
インプラント治療とホワイトニングを同時に行う際は、ホワイトニング後の歯の色を想定し、それに合わせて人工歯を作製するケースが多いです。
「シェードガイド」という色見本を参考に、天然歯の色味や本人の希望に合わせて人工歯の色を決めます。
ただし、ホワイトニングの仕上がりはプロでも予想が難しいため、確実な方法ではありません。
後々調整することを考慮し、残っている天然歯より少し白めにしておけば、ホワイトニングで色が合わせやすくなるでしょう。
ホワイトニングを希望していて、すぐにインプラントを埋め込む必要がある場合は、歯科医師に相談してみてください。
人工歯を作り直す
天然歯とインプラントの色の差が大きく、ホワイトニングなどでの調整も難しい場合、色を合わせるには人工歯を作り直す必要があります。
人工歯の作製にかかる費用は、素材や治療を受ける歯科医院にもよりますが、1本あたり5万〜15万円程度です。
保険適用外で全額自己負担となるため、一般歯科と比べ費用負担が大きくなります。
インプラント治療後に天然歯の着色汚れ・黄ばみを防ぐ方法

インプラントの人工歯に黄ばみの心配はありませんが、天然歯が着色していくに伴い、色の差が目立つようになっていくことがあります。
人工歯と天然歯の色が自然に馴染んだ印象を保つには、次の4つのポイントに配慮しましょう。
- 着色汚れがつきやすい食品を控える
- 毎食後に歯磨きする
- 禁煙する
- 定期的に歯科検診や治療を受ける
着色汚れがつきやすい食品を控える
白い歯を維持するには、着色汚れがつきやすい食品を極力控えてください。
着色汚れがつきやすい代表的な食品は、コーヒー、紅茶、緑茶、ワイン、チョコレートなど、タンニンやカテキンといった渋み成分を多く含む食品です。
また、醤油やソース、カレー粉などの色の濃い食品も、歯に着色しやすいといわれています。
特に、ホワイトニングした直後は着色しやすいため、治療後1〜2週間程度は着色汚れのつきやすい食品を極力控えることが推奨されます。
毎食後に歯磨きする
歯の着色汚れを防ぐためには、食後の歯磨きが肝心です。
着色を放置する時間が長いほど、着色が定着しやすくなります。
着色汚れがつきやすい食品を口にしても、食後にすぐ歯磨きすることで定着を防げます。
一般的な基準である1日3回にこだわらず、毎食後に歯磨きすることで、白い歯を保ちやすくなるでしょう。
頻繁な歯磨きが難しい場合は、食前に水を飲んで口腔内を湿らせておき、食後にうがいするだけでも着色汚れをある程度防ぐ効果が期待できます。
禁煙する
喫煙は、歯の着色汚れを促す原因の一つです。
タバコに含まれるタールが粘性のヤニとなって歯にこびりつき、黄ばみの元になります。
喫煙によってこびりついた黄ばみを、セルフケアで完全に取り除くのは困難です。
また喫煙は、虫歯や感染症になりやすくなるほか、口臭や歯茎の黒ずみ、インプラントの劣化の原因にもなります。
良好な口腔内環境を保つには、禁煙するか、どうしても難しい場合は減煙を心がけてください。
定期的に歯科検診や治療を受ける
インプラント治療後の歯の色合いを均一に保つには、天然歯のケアが欠かせません。
定期的に歯科検診を受け、ホームケアでは取れない歯の汚れをきれいに落とすことで、着色が防げます。
また、ホワイトニングの効果は永久ではありません。
経年で徐々に着色が進むため、白い歯を保つには、防止と定期的な再治療が重要です。
平均的な持続期間である数カ月〜1年間に1回程度を目安に、定期的にホワイトニングを受けるとよいでしょう。
インプラントの変色を防止するには?

先述のとおり、基本的にインプラントの人工歯に着色汚れがつくことはありません。
ただし、プラスチックや金属などの素材が含まれる人工歯を使用した場合、経年劣化で変色する可能性があります。
変色を防ぎたいなら、セラミックやジルコニアなど着色する心配のないインプラントを選ぶことが推奨されます。
天然歯により近い自然な白さと透明感を求めるならオールセラミック、白いだけではなく耐久性も高めたいときはジルコニアがおすすめです。
